第27回総合リハビリテーション研究大会 − 障害者の地域生活支援とリハビリテーション −


7月3日(土) 分科会 9:00〜11:30
 「重複障害者の地域生活支援を巡る課題と対応」

(1)「軽度発達障害児者の社会参加 
    −二次障害として生じる精神疾患や社会病理との関連から−」

 現代の社会問題として、引きこもりや不登校など特に青年期に現れる社会病理が注目されている。しかし、そうした背景には、高機能自閉症やアスペルガー症候群、また多動性障害などのいわゆる軽度発達障害が軽視できない要因として存在する。
 軽度発達障害をもつ人々は、成長過程において医療をはじめとする専門的な関与がほとんどなく、本人はもとより、家族など周りをとりまく人々も障害の存在に気づかず、教育課程など通常の生活経験の中に身を置くことが少なくない。そのため、対人関係や社会生活において多くのつまずきを経験し、それが多大なストレスとなって、抑うつ状態などの二次障害を引き起こすのである。一見精神疾患として捉えられる現象が、実は幼児期からの軽度発達障害に起因した問題に適切に対応してこなかった結果であることが多いと考える。
 本分科会では、引きこもりや不登校などに見られる軽度発達障害との関連を探りながら、そうした軽度発達障害児・者の社会参加に向けての支援体制を検討するとともに、とりわけ重要となる予防の観点から、早期療育や学齢期における教育環境についての提言を行う。

<コーディネータ> 
      小川 淳(横浜市総合リハビリテーションセンター)

<シンポジスト>
      生澤 むつみ(アスペルガー症候群青年の母親)
      井上 とも子(横浜市養護教育総合センター)
      近藤 直司(山梨県立精神保健福祉センター/山梨県中央児童相談所)
      清水 康夫(横浜市総合リハビリテーションセンター)


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